「Bonnie Raitt/I Can’t Make You Love Me」

人生は山あり谷あり。うまくいく時ばかりじゃないよね。

やる事なす事、うまくいかずに落ち込んでしまうときもあります。

いわゆるロックボトム(どん底)ってやつです。

そんな時はどんな励ましや慰めの言葉より、実際にどん底から這い上がってきた人の人生の方が、説得力をもって我々に再び生きる勇気を与えてくれることってありますよね。

今日紹介するアーティストは、そんな人生のどん底から復活し、遅咲きの成功を手にした女性。

「Bonnie Raitt/I Can’t Make You Love Me」(ボニーレイット/アイキャントメイクユーラヴミー)(1991)https://youtu.be/nW9Cu6GYqxo

11枚目のアルバム「Luck of the Draw」からのシングルカット。邦題「夕映えの恋人達」。


ラック・オブ・ドロー

ボニーレイットは、1971年にデビューした後、長い間ヒットに恵まれず不遇の時を過ごしていました。

レコード会社との契約も打ち切られたボニーは自暴自棄になり、アルコールや薬物に溺れて、スリムな身体もみるみるうちに肥満となり、大事な声まで変わってしまうほどに生活はすさんでいました。

しかし、彼女はむかしからチャリティー活動を積極的に行っており、1988年の「ブルース・フォー・エルサルバドル」というブルースマンの著作権を守るチャリティーコンサートに参加したことが、立ち直るきっかけとなりました。

「自分の音楽に対する姿勢の原点をつかみ直し、自分のすべきことがもう一度きちんと見えてきた」と語っております。

その後、心機一転1989年にレコード会社を移籍して初のアルバム「Nick of Time」が全米で600万枚を売り上げ、アルバムチャート1位、グラミー3部門受賞のビッグヒットとなりました。

デビュー以来一貫して追求してきたボニーのブルースが、やっと世間に認められたときには40歳を過ぎていました。

しかし不遇の時代に経験した辛い想いや、涸れることなきブルースへの情熱が肥やしとなって、彼女の音楽にさらなる高みを与えたのではないでしょうか。

ボニーの切なくも力強い歌声の魅力がいかんなく発揮されたこの曲「I Can’t Make You Love Me」は2017年にグラミー殿堂入りしました。いかに名曲であるかは、キャンディーダルファーやアデル、ジョージマイケルなど多くの名だたるアーティスト達によってカバーされていることからも分かります。

ただし、哀愁漂うボニーの歌声は彼女の悲喜こもごもの人生経験から生まれたもので、ほかの誰にも表現できるものではありません。

ボニーが歌うからこそ、彼女の苦節の人生と重なりあって、聴く人の心に深い感動をもたらしてくれるのです。

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